(  市)ルネサンスへ<2016-0318 指向性、



~4:マダラ模様。        


しかしそれは、イメージという形式をとらない場合もある。
たしかに心のなかで何かが浮かんできているのだが、
はたしてそれが何なのか自分でもわからないのである。
だからイメージという「形」をとり得ないのである。
しかし、それにもかかわらず、やはり、なにかが浮かんで来ている
のである。しかしまた、それが、現実にあるものとか、
どこのだれそれと特定できるものではないのである。それがなんらかの
カタチとして、判別できないのである。それでもやはり、なにかが
浮かんできているのである。形なきイメージとして。姿なき誰かとして。

ハッキリそれとわかるイメージにはならないけれども、
それを示唆し、暗示し、いやおうなく誘導してゆくような、
そうした心情的なイメージ、ないし、本能的な衝動として。
ものとしてのカタチなき観念的なイメージとして現れてくるのである。
それが、まさにマダラ模様の、姿カタチも、色もない、明暗だけの、
常に揺れ動き、移ろうだけのマダラ模様なのである。

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