(  市)ルネサンスへ<2016-0318 指向性、



~5:輪郭線。         


カタチとしての、線とか表面が識別できない。区別もない。
すべては同一の空間の中で、現れては消えてゆく。そして、
自由自在に出たり入ったり、なんの区別も識別もしようのない空間。
そうした、常に変化し移ろいゆくマダラ模様の世界なのである。
従って、時間と空間の概念はなく、また、成り立ち得ないのである。

自己と他者の区別のない、内に向かって閉じた世界。
いまだ外の世界を知らない、ちょうど、タマゴの殻(カラ)の中の
世界である。だとすれば、それは「変化するマダラ模様」として
表現する以外にないのである。ハッキリした線と面、
そして色というのがなく、何かを区切る輪郭線といったものもなくて、
ただ色なき薄明りの絶え間のない変化の世界。
ここには自己も他者もなく、それ以前の、いまだ自己というのが
自覚されずにいる、自覚しようのない、無意識の世界である。

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