(  市)<ルネサンスへ<2016-0401  夢の中、



~3:識別不能。


それだけではない。
それら全体が、なんの規則も、秩序も、整合性もなく、
従ってまた、なんらかの特徴をもとに、統一的に把握するといった
ことが出来ないのである。共通する特徴となっているのは、
明暗の違いだけで、色そのものが無いということと、同じ模様がいつも
一つも無いこと、そしてそれらが時間的に変化し続けていて、
そしてまた、空間的に無限の広がりと奥行きを持つ、ということである。
要するに、つかみどころがない、ということである。

さらにまた、目の中に見える映像というものが、輪郭というのを持たず、
姿にもカタチにもなっていないことである。それは、なにかの姿カタチ
ではなくて、あいまいでぼんやりした、とらえどころがなく、予測もでき
ない、漠然とした何かの模様のように見えてくる。

だからそれは、「まだら模様」なのである。輪郭を持たず、
とらえどころがなく、予測もできず、常に変化を繰り返しながら、
移ろいでいる。そうしたありさまが、色のない明暗だけの「まだら模様」
なのである。それ以外にないとさえ思えてくるのである。
それは、「まだら模様」でしか表現できないと思えてくるのである。

色が無いのは、個性がないということであり、
境界なき明暗だけの世界というのは、YesかNo、有り無し、
内と外の、そうした区別、自分と他人の区別の存在しない世界だと
いうことである。何一つはっきりせず、定まるということのない世界
なのである。

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