(  市)<ルネサンスへ<2016-0401  夢の中、



~6:情景。


それは意識されることのない、自己の精神の基底、それが拠って
成り立つところの精神の根源とその領域、そしてその源泉となって
いる場所なのである。そしてまさに、そこからイメージのカタチが、
何らかのすがたとなって現れてくる。それは、自意識がイメージとなって、
目己の中に現れたものなのである。意識が、何らかのイメージとして、
自己を映し出しているのである。

こうした夢の中で、イメージは、
二通りの、まったく正反対のところから見えてくる。

一つは、無意識のまだら模様から、それが線となり、つながって何かの
輪郭となり、すがたになる。そうやって、それが何かというのがわかって
くる。そして、それがなぜ見えているのか、そうした、自分にとっての
意味といったものは、あとからわかってくる。動機とか理由といったもの
は、最後にわかってくる。または、わからない場合もある。
その出来事や情景といったものが、後の方でわかってくる。
明確な印象や目印などといったものがなくて、全体として、雰囲気
として、理由も動機もない気分や心情として情景が見えてくる。

もう一つのキッカケは、先に「意味」が見えてくる場合である。
恐れ、あこがれ、苦痛、快感、悲しみや喜びなど、動機は様々である。
そうした心理状態といったものが、現実の出来事とは関係のない、
直接の衝動、ないし情感として、イメージの中に現れてくるのである。

だから、この場合は何か目立つ印象や目印みたいなものが真っ先に
見えてくる。動物のキバとか、谷底とか、人間の姿であれば哀れで
悲しげな顔の表情である。全体の情景は最後まで見えない場合も
ある。夢の中では必要な情景だけが見えてくるのである。

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