(  市)ルネサンスへ<2016-0422 春カスミ。



~3:ヨーロッパ。

そしてそれが、人間にとってのすべてであり、統合された一体性であり、
歴史的にも失われることのない、同一であり続ける自己の根源と
いったもの。けっして失われることのない自己の必然性、存在の理由
といったものなのである。そしてまた、それは、自分が自分であることに
目ざめる場面なのである。そうやって、自分で自分に目ざめて、
自分を確かめているのである。

ということは、たしかめることが出来なくなったとき、自分を見失う。
何か別の原理とか根源を見つけ、探さなければならない。
しかし、こうした場合でも自己は連続した、同一のものであり続ける
のだろうか。

ヨーロッパの場合、民族(ないし国家)というのは生成と消滅、分裂と統合を
くりかえしている。歴史的にも地理的にもそうである。常に、
民族というのが変化し、移動し変質し続けている。混合と分裂・統合
の繰り返しが通常の、普通の状態である。従って、民族精神、ないし
郷土精神といったものも、その拠り所となっているものが、変化せざるを
得ない。民族精神が象徴するモデルといったものが、変化して行く。

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