(  市)ルネサンスへ<2016-0617 続、ぼやける。



~9:眠ったままで。

もしかすると、そんなことはどうでもよくて、ただたんに、なり行きまかせ
でいようとしているのかも知れない。自分というのを捨てて、流される
ままに安楽に生きようとしているのかも知れない。それがもっとも
楽(らく)だし、安心だし、何よりもリスクが少なく、自分に責任が発生
しない。自分を捨てているのだから。自分のことを他人にまかせて逃
げているのだから。そもそも、自分というのが無くなるのである。精神の
苦しみも悩みもなく、それが生まれる場所もキッカケも、なにもかもが
自分のなかから失われてしまうのである。

もしかすると、ボヤケるというのは、こうした自己意識のもっとも曖昧で
ぼんやりした状態なのかも知れない。自己の精神が、自分自身の
肉体にめざめる以前の、肉体の中でいまだ理没して眠ったままの
状態なのかもしれない。何かを意識したり、自覚したりする以前の、
自分のカラ(殻)に閉じこもったままの状態を意味しているのかも知れ
ない。これでは、自分に対する責任も苦しみも有りようがなく、それ
以前の眠ったままの状態なのである。

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