ルネサンスへ<2016-0617 続、ぼやける。



~14 無意味の理由。

何の目的も理由もないところでは、喜びや悲しみ、苦痛や残酷さと
いったものも、その内容から言えば、何の意味も持ちようがなく、
だとすれば、その無意味さ、意味の無いところにこそ、最も重要な
意味があるように思えてくる。

無意味であること自体、無意味であるほど、最も価値あるものと
されるのである。それは残酷さにも、そのまま言えることであって、
残酷であること、残酷それ自体が、価値があり、意味あるものと
される。「残酷」といったもの、際限のない恐ろしさ自体が、目的となり、
理由となるのである。

世の中の出来事や、行為自体に何の意味もないのだから、
その行為そのものが、「理由」であると思えてくるのである。
だから、野蛮で残酷で恐ろしいこと自体が、そうであればあるほど、
価値と大きな意味を持ってくるのである。

理由なき、支配隷属の関係を知らしめ、確かなものとし、
それへの隷属を正当化するものとして、また、それを象徴するもの
としてのみ、意味をもつものだからである。そうしてのみ、意味なき
ことが、意味を持つにいたるのである。


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