ルネサンスへ<2016-0701 精神、
~3 領域。
それどころか、それは、個人としても個性を持っている。そしてそれら すべてを包み、成り立たせている環境といったもの、つまり、精神の内的 な歴史的影響と、外の自然環境にも明瞭に現れている。共同体の 共有意識、民族意識などといったものも、たしかに明瞭な他のそれとは ハッキリ区別される精神の、輪郭と領域を成している。たしかに、その様式 とか、合理性とか、規則性といったものが、ハッキリと他の精神と異なるも のを持っているのである。このような、自立性、独自性、個性といったも のである。 他者によって支配され、その力によってのみ自分を表現することが 出来る、自分の内部に内的必然性を持たないもの、それは他と 区別される別のものとは言えないのである。同じものが、別々に存在 しているのに過ぎないのである。もしくは、精神を持たない無機物の 世界である。 だから精神の世界ではそれは区別されない。精神の中で何かを 感じるということが出来ないのである。「感じる」という境界線が存在 しないのである。他者としての区別や、セキュリティが存在しないのである。 自分が誰かわからなくなる。人格を喪失するというのは、このことで ある。 戻る。 続く。 |