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6、変種。

どの社会にも不文律や暗黙の合意、無言の了解事項といったものがあって、そうした文化の共有された共通の意識があるのであって、それに疑いを抱くような人間は要らないし、信用も出来ないのである。

しかしまた、客観的な真実というのは、自分がその集団から離れたところからでしか、見えて来ないものなのである。それは、その時代とその文化から離れたところからでしか見えて来ないものなのである。

そしてこの、「離れた存在」というのは、自己のアイデンティティ―を喪失した、まことにワケの分からない人間なのである。自分の所属集団の中に、自己のアイデンティティ―を見い出せないでいる人間のことなのである。

つまり、精神的な異人種、変種の人間なのである。また、自分でも自分が分からずに見失っている、そうした存在なのである。


戻る。                      続く。


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