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4、共通のもの。


あー、うー、おー、・・・。
たとえば、「あー」という発声は自分の中から息が抜けて行く音である。緊張が頂点に達してチカラが一気に抜けて行く。集中した筋肉が行き場を失くして一気に破裂して抜(ぬ)けてっ行く、そうした驚きやびっくりしたとき、当惑したときの発声である。

「うー」は、少しずつ腹の中から出てくるような音で、そんなに驚いているワケではないが、少しづつ了解しつつあるような、そんな発音である。「おー」は、腹の底から出てくる、何かにうなづいたり納得するような発声である。

この「あーうーおー」は、いずれも母音であるが、これに子音が結び付くことによって、この発声をもたらした情緒や感情といったものに、より具体的で実際的な意味が付加される。

しかしこれが、そうした肉体内部の生理の、情緒や感情の現れであるという点で、やはりその深いところで、民族や個人を越えたところの共通のものが感じられるのである。


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