index< 日誌 < ao強制力 < 21-19「制約E」 |
反射的で衝動的な無意識の世界の中で、自分の身体だけが勝手に反応しているのである。しかし、確かに何かを見ている。普段の自分には無いものを見ている。非日常で非現実の世界を瞬間的に垣間見ているのである。 だから、「あ」なのだ。それが自分にも意識される、といったところまではいかないが、自分でも気づかず知らないまま、神経を集中させ身体がどこかで緊張しているのである。そして身体だけが無意識のままで、それを記憶しているのである。自分の中の生理と神経のリズムの中に、それを保存しているのである。 しかしまたそれは、次の瞬間にはたいてい開いて緩んで、そしてむしろ自分の外の世界に対して、触れていて、遭遇し、交流しているのである。おどろきというのが、怯(おび)えから安堵へと移って行く。感覚的にも生理的にも、そして心理的にもそうなのである。肉体がそのような仕草をしているのである。 |
index< 日誌 < ao強制力 < 21-19「制約E」