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それは始めからあったものではなくて、永い習慣の蓄積と生活の中から固定されてきたものなのである。自分でも気づかないまま、知らず知らずのうちに馴れ親しみ、そしてそれが自分の本来のあり得べき日常の世界となっているのでる。 それが無くてはならない自分自身の現実のすがたになっているのである。そのように思われているし、信じられてもいる。それが、あまりに当然の日常の風景でもあり、そしてこれが常識なのである。 しかし実は、それ以前に、そうしたことが自分にとっての現実の世界になっているのである。それ以外の現実というのが自分には無いのである。それだけが、自分にとっての現実とのかかわり方、存在の仕方となっているのである。 従ってまた、ここから離れたところに自分というのは存在しないのである。そうである以上、いま居るこの現実の世界を生きて行く以外にないのである。そうした意味で人間は、このような囲いの中の制約された世界を生きている。そしてこのような、あらかじめ条件づけられた世界の中でしか生きて行けないように出来ているのである。 |
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