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7、作用の仕方。


身体の物理的形状や構造そのものの変化ではなくて、もっと初歩的な、それが機能する作用の仕方とか順序の特徴といったもの、つまり、生理的傾向や癖(くせ)といったものの変化も、遺伝する。また、種という同一種の中での、個体間のささいな違いといったものも遺伝する。

身体そのものの物的形状は何も変わらないのに、その作用の仕方が多少異なってくる、ということである。個性的な特徴の傾向を持つということである。そうした仕草やクセの特徴が、生理作用の傾向として引き継がれて行く、ということである。

あるいは、それが置かれた環境の条件によって、たとえ遺伝がなくても、そのような適応の仕方をする。そしてこれが、数十世代くり返されることによって、それがまた、当然のように受け継がれ、遺伝される。

変化した環境の条件といったものもまた、それを避けようのない必然のものとして促(うなが)してくる。そしてそれがまた、種というのが生き残ってゆくための条件になっているのである。



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