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5、集団化された思考パターン。


従ってまた、自己の内部においても、自分が自分に対立するといったことがなく、周りの集団や社会とは別の世界であるはずの、自己の固有の自意識や個性といったものが自覚されることもない。それに気づくことも知ることも、また、それ以前に、そうした場面そのものがないのである。

そしてこれが、そこで生きる者にとっての生き方や考え方となっていて、さらに馴(な)れや習慣としての、ルーチン(自動)化された思考のパターンとなっているのである。

そして実は、これこそがそこで生きる者にとっての現実なのであり、自分の存在の仕方となっているのである。自分にとって見れば、それ以外の生き方や存在の仕方といったものがあり得ず、存在し得ず、またそれが現実になじむといった事もなく、現実にそぐわないものとされているのである。



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