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6、正義。


しかしながら東アジア世界では、このような自己の、自分が自分に対立する著しい傾向は歴史上見られない。個人は常に周りに同化して理没したままであり、決してそこから離れず、そこから出て行くことがない。それ以前に、そうした「はぐれ者」は、社会にそぐわない者として排除される。

個人が個人として、外から社会と自分を省みるということがない。自分で自分に疑惑を抱いたりすることがない。ここでは、「自分で自分を省(かえり)みる」というのは、常にその閉じた社会の中から自分を見ているのであって、それしか見えないのであって、また、そうした必要から自分を見ているのであって、その意味で、いつまでたっても個人は、集団の中に理没したままなのである。



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