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4、切断。


しかも事態は切迫していて、すぐにも行動しなければ手遅れになるのである。だからまた、意識したり意志の判断を待たずに、衝動的で本能的な反射行動だけで、身体が無意識に動いているのである。それは本人の意志というよりも、肉体としての身体の意志なのである。

目とクチが開き、心臓がドキドキ高鳴り、手足が一瞬わなないたりしているのである。つまり、こうした状態というのは、自分自身の中で一瞬、自分を。見失った状態、自分で自分がコントロールできずに、一瞬、我を忘れた状態なのである。

何かしらの定まった日常の情緒のリズムから、それとは異なる自分へと突然転げ落ちた瞬間なのである。一瞬、自分の中で、リズムや情緒といったものが切断され、途切れていて、見失っている。つまり、我を忘れると共に、本来の自分を必死に探し求めている、そうした状態なのである。



戻る。
                   続く。


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