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7、異界。


そうした意味で「おどろき」というのは、自己の発見の場面ともなり得るものなのである。このとき人間は、自分を外(そと)から見ているのである。自分で自分を見ているのである。自分の中の自分を見ているのである。そうして自分というのを意識しているのである。

自分は他人なのだということを理解し始めているのである。肉体と精神は別のものなのであって、そして精神は、自分の現実のすがたを求めているのである。そして現実の世界に自分のすがたが無い以上、それは自分で見つけなければならないのである。

だからまた、それは自己の潜在的な発展の可能性となり得るものなのである。そうした「おどろき」というのは、自分にとって非日常で非現実の、未知の異界なのである。少なくとも、その瞬間だけはそうなのである。



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                   続く。


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