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| 自分でもワケのわからない、そして同時に自分を支配しとらえて離さない、このような気分や気持ちだけの世界なのである。このような情緒の世界には、対象(または相手)というのが存在しないのである。それは、精神がどこかで現実に対して閉じていて、そして自分で自分のなかをさ迷い続けているのである。 このような、対象があいまいで、とらえどころのない感情だからこそ、自分でもどうにもならず、そして同時にそれが自分を取り巻いて離れず、自分がそれに気づかないまま支配されているのである。そしてこれが、自分でも意識されることのない情緒の世界なのである。 そうした非現実的で、現実との接点がどこまでいってもボンヤリした、自分だけの「孤独」な心情や気持ちといったもの。そうした空気や雰囲気の世界。これが情緒というものではないだろうか。 |
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