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こうした絶えざる変化こそが人間の存在の仕方なのであり、またその存続の条件となっているのである。しかしまた、そうしたことのすべてを、すでにある現実の物を通して解決し、そして創造して行くことになる。それ以外の方法がないのである。そしてこれが、人間が生きている現実の世界なのである。 精神は、現実の物を通してしか、自らを表現し得ないのである。空間という場所と時間という瞬間の中でしか、精神は表現され得ないのである。その中でのみ精神は現れてくるのである。そうだとすれば、そのすがたカタチといったものは制約されざるを得ず、現実の世界によって条件づけられた、定まった枠(わく)の中でしか現れ得ない存在なのである。 要するに、ここなのである。「変化」というのは、このような現実の制約を打破して行くことに他ならないのである。そうであるにもかかわらず、それは、現実の物を通してしか成され得ないというところに困難があるのである。 |
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