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しかしまた、そうしたことが起こるのは、自分と他人というのが、異なる存在だからである。このような互いに異なる異質な自律性とその必然性なしには、それは起こり得ないことなのである。自分が何かを知るということ自体が不可能なことなのである。 「知る」というのは、自分と、自分以外のものとの関係のことを言っているからである。それは、自分と他者が存在して始めて成り立つものなのである。 「知る」ということ自体が、その対象を必要としているのであって、そして同時にそれを感じ取る何かが、もともと自分の中に無ければならないのである。そうでなければ、それを感じたりすることなど出来ないのである。意識されることのない潜在的な、自分自身の中の可能性といったものがそうなのである。 |
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