index< 日誌 < v夢の中< 21-69「ウサギ:潜在」


1、共有。


かつて僕の家族にとって、ウサギの存在といったものは、格別で特別の存在であった。子供がまだ幼く、そして僕と、僕の妻も必死であった。落ち着いて人生を楽しむといった金銭的余裕も、時間的余裕もどこにもなかった、そうした頃である。

そうした中で、子供が学校からもらってきたウサギは特別であった。毎日が忙しく、何の余裕もあるはずのない私たちにとってのウサギは、家族みんなが寄り添い、集まり、気分や楽しみや喜びといったものを共有する、数少ない場面の一つだったのである。

それへと家族みんなが集まり寄り添い、そして感情や気持ちや楽しみといったものを、そこで家族みんなが共有したのである。ウサギを通して繋(つな)がっていたのである。



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