index< 日誌 < v夢の中< 21-70「ウサギ2:きず」


9、暗示。


そしてこの「わだかまり」が、かつての自分の親方(社長)として、あるいは傷付いたウサギとして、あるいはまた、それを横から念押しする同僚の運転手として、夢の中に登場させているのである。

心の中の奥底にある、意識されざる潜在的な思いや「わだかまり」といったものが、このような物語りとして、あるいはそれぞれの登場人物のすがたカタチとなって、夢の中で演じられているのである。それは真昼の目覚めた世界では、幻覚やマボロシみたいなものである。それが、閉じた目の中の、無意識の世界のなかで演じられているのである。

しかし、やはりそれは、傷ついた「ウサギ」というイメージが、もっともそれにふさわしい。ウサギはそれの象徴であり、印象であり、そしてそれが促(うなが)し暗示するサイン(合図)だったのである。



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