index< 日誌 < v夢の中< 21-71「ウサギ3:象徴」p4


1、アンバランス。


たしかに、傷つき壁面にぶら下げられウサギというのは異常である。場違いというか、どこへも行き場がなくて、仕方なく迷い込んで来てしまったような、どう見ても不釣り合いでおかしく不可解である。現実に対してあまりにも不自然な現れ方である。

まるでどこかの別世界の出来事が、偶然にぽっかりと開いた空間の中から、ムリヤリ浮かび上がってきたような印象である。つまり、どういうことかと言うと、夢の全体から見ると、このウサギだけが不自然で、不釣り合いで、非現実的なのである。

というのは、このウサギとまわりの人間、僕や、運転手や、それに真昼の屋外の空き地や道路といった舞台の情景。それに、全体的な登場人物や小道具といったものが、そのなにもかもがこのウサギを中心に、どこかアンバランスでチグハグなのである。



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