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2、幻想。


そしてまた実際、そうすることで学校では褒められ、会社では昇進し、収入を増やして安定した生活の基盤を作り出してきたのである。これは何も仕事の関係だけでなく、趣味や好みの傾向といったものまで決定してきたのである。

これは、その社会が認め、そして作り出してきた、人間の模範的モデル、求められる人間像、そして広く一般的に認められた「処世術」なのである。だからまたそれは、社会と共に、その時代と共に変化して消えて行く。そうした存在なのである。

しかしまた、そうやってみんなが納得し、了解し、信じ合い、そうして安定した安全な社会を作り上げてきたのである。しかし、それはどこまで行っても幻想に過ぎないのである。

自分というのが、限りなく薄れていって、見失われ、自分がいったい誰なのか分からなくなって行く。しかしそうしたことのすべては、自分が望み、求め、招き入れた結果なのである。



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