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意識に対する無意識の世界がそうなのである。見える感覚に対する、自律した神経の営みがそうなのである。意識に対立する感覚の世界もそうである。それは、行動以前の情緒の世界がそうなのである。あるいは、他の言い方をすると、自分の精神に対立する日常の習慣の世界がそうなのである。 人間というのは、そうした意識と無意識、顕在(ポジ)と潜在(ネガ)の間を常に行ったり来たりしている。しかしまた、だからこそ現実が現実たり得るのである。言い換えると、無意識の世界から意識の世界が浮かび上がってきているのである。 それは、同じものを表と裏から見ている。正面と背面、日向(ひなた)と影のようなものである。このようにして、自分の都合に合わせて現実を見ているのである。あるいはまた、人間には、そのようにしか現実が見えないのである。これが人間の生き方なのである。 |
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