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3、処世術。


あるいは、そうした人間が何かどうしても悪い、ここに居てはならない排除しなければならない人間のように思えてくるのである。そうした信用できない人間は、何か正体不明の悪い者でなければならないと思えてくるのである。

これは、そう思い込もうとする人間の処世術であり、信念なのである。それはいまさらどうにもならない、そうした人間の、いままで生きてきた生き方なのである。そうやって生きてきたし、これからもそうして生きて行くしかないのである。

それ以外の生き方を知らないし、そしてまた、これこそがそう思う本人の心の拠り所になっているのである。彼の今までの人生がそうだったし、友人や知人、親兄弟や学校、会社の中での彼の人間関係のすべての根本がそうであったのである。

だからまた、いまさら変えられるものでもなく、むしろそれこそが彼の自己証明なのであり、心の拠り所になっているのである。アイデンティティーそのものなのである。だからそうした自分を、いまさら辞めることなど不可能なことなのである。それは、自分で自分を辞めろといっているのと同じことなのである。


戻る。                     続く。


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