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8、可能性。


しかし実際には、これら網膜の色覚細胞といえども、それ自体はアナログの世界であって、それらの間に厳密な境界線などなく、それ以外の色覚細胞が絶対に無いとは言い切れないのである。

もともとそれら自体は、同じものであったものが、人体の進化の歴史の中で枝分かれしてきたものであって、便宜上、馴れや習慣の結果として、このように省力化・最適化されてきたのである。

それは、実際の網膜の進化の歴史がそうであるとともに、それをこのように理解しようとしてきた人間の論理的・合理的思考のパターンがまた、そうであり続けたのである。それ以外の理解の仕方というのが許されなかった、という意味でそうなのである。

そうだとすれば当然、未だ眠ったままの隠された感覚や感性、感じ方といったものが潜在的な可能性として残っていて当然なのである。それは、言わば忘れられた記憶であって、いまとなっては、自分にとって意識されることのない、未知の感覚なのである。


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