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7、団結。


そして自分は悪くない以上、悪者はどうしても自分の外に探し出さなければならない。それもフツーの多数派の人々を敵に回すことが出来ないのである。だから、フツーではない異質な少数派、それも言い争う余地のない生まれつきの身体的特徴や「出自」を理由にせざるを得ないのである。

だれか自分ではどうにもならない、負い目を持っている人間を探し出して、あるいは、それをねつ造して、それを「踏み台」にして這い上がろうとするのである。みじめで不安定な自分の境遇から抜け出るには、そうするしかなく、それ以外に無く、ただそれだけが自分が生きて行く道、まわりから許され、認められる道となっているのである。。

そしてまたこれには、迎合し、一致団結し、自分もまわりのみんなと同じであろうとする、そうした日本的な性癖が大きく作用している。要は、どうでもよいのである。自分が死のうと生きようと、そんなことよりも自分が周りのみんなと同じであるかどうかが、もっとも重大な関心事になっているのである。

たとえ、それで自分が死ぬようなことがあっても、それだけで自分は納得するのである。納得できるのである。なぜなら、自分にはそれしかないのだから。それが自分の存在理由なのだから。


戻る。                     続く。


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