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自分の中に信仰がないにもかかわらず、まわりに合わせようとする。ほかに生きて行く方法がないのである。自分に信じるものがない以上、他人に合わせるしかないのである。信じるものが自分の中にしかないにもかかわらず、そうするのである。だから自分が見つからない。そうして、自分をタテマエとホンネに分けて生きている。 そうして、誰にも知られないところで自分を求めている。取るに足らない小さな、どうでもよいような規律違反とか、あるいは趣味の世界がそうである。しかし、これはまだよい方で、それもない人間は、結局のところ他人との関係にそれを求める。 しかしまた、自分に自律した個性がない以上、――それがないから、他人の中に自分の自意識を求めるのであるが、これは非常にキモイことである――それを、他人との上下の関係に求めるのである。自分の精神を他人に依存させようとするのである。 |
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