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2、生存の条件。


なぜなら、この場合の存在条件とは農産のための土地であり、その所有関係が変わらないというのが、自分と自分たち生きてが行くための唯一絶対の条件になっているからである。自分が生きて行くための手段というのが、この土地を離れて存在しないのである。

(これは現在で言う「就職」と同じであって、就職無くして生活の糧が得られないというのと同じで、転職先がないという、より強い死活的な意味でそうなのである)

そしてこれが自分たちの自意識の根底にあるのである。だからまた、身分に基づく上下の関係というのが絶対的な掟(オキテ)として、社会全体を支配しているのである。このオキテが自分を現実の存在にしているのである。そして、このような上下の関係を離れたところに、人間は存在しないのである。そしてこれが、この社会で生きる人間の存在の条件になっているのである。

従って、このような社会での人間関係というのは、あらかじめ定められた身分的な上下の関係が絶対的な関係となる。だからまた、このような上下の関係に悩んだり苦しむこともない。それは自分ではどうにもならないし、どうにかなってもならない、そうした人間同士の間の絆(きずな)となっているからである。


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