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3、失う。


それは、日々の現実から忘れられ縮小して行く世界なのである。もちろん、そうした関係の中で生きる人間の、頭の中でもそうなのである。そうやって失われ消えて行く世界である。

また、そうした中で形成された自意識や自尊心といったものも、やはりそうであると言わざるを得ないのである。いつの間にか気づいたときには、自分がいつしか別人になっているのである。

だからたいてい、特に事情でもなければ、それに気づくこともないし、見向きもされることがないのである。特に自分の利害に直接に係わらない限り、そうなのである。そして実は、そうした係わりそのものが現実の世界から消えて行く、という意味でもそうなのである。


戻る。                     続く。


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