index< 日誌 < s設定< 22-44「交感U:色覚細胞(赤・青・緑)」p3 |
たとえば、色覚細胞の感度曲線の山の部分は、どうでもよいのである。これは「まやかし」であって、形式的な象徴に過ぎないのである。ただの「飾り」なのだ。そしてこの見える山の部分の本体であり、背景になっているのが谷の部分なのである。 山の上から下に向かって無限に広がる裾(すそ)の部分なのである。そしてこれが、感度曲線のすべてを決定しているのである。赤・青・緑の色覚細胞が複雑に入り混じり、重複し、錯綜する、この裾広がりの谷の部分にこそ注目しなければならないのである。 なぜなら、この谷の部分は、山の上部のようにすでに知られている、共有された感覚ではないからである。むしろ、このような共通の感覚を作り出している、土台の部分だからである。それはより根源的でオリジナルな、そして個性的で現実的な肉体そのものの営みの部分だからである。そして、ここから何もかもが始まっているのである。 |