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4、ためらい。


そして、このような常識がどこかで失われているのである。忘れられ、消えて行って、もはやどうでもよい、必要のないものとして人間の観念の世界からも失われてしまっているのである。そして、それに替わる新たな絆(きずな)といったものが、いまだハッキリとそのすがたが見えないでいるのである。

だからすなわち、自分でもワケが分からず、不可解で、不思議で、妙な違和感にさいなまされているのである。つまり、現実というのが、いつの間にか未知の得体の知れない異質な世界へとさ迷い出てきていて、自分でもどうしたらよいのか分からずに、迷い、ためらい、当惑しているのである。

私たちは、このような自分たちの歴史の結果の世界をいきている。そしてそこから離れて生きて行けず、また、生きて行けないように出来ている。それは、自らの運命というのは、自分で決めることが出来ないということなのである。


戻る。                     続く。


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