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4、他者のいない世界。


たとえば感覚の感じ方としての、熱いとか冷たい、明るい暗い、硬い柔らかい、鋭い鈍い、ぼやけると鮮明などといった感じ方は、感覚器官の直接の感じ方であって、自分と外の世界との直接で同時的な関係である。つまり、間接的なものがはいっていない。

それは単に刺激自体の直接的で同時的な関係である。さらにまた、隣接し連鎖・連動する他の感覚からの影響もほとんどない。つまり、これは心理的な刺激ではないのである。物理的で直接的な作用なのである。それは、心理的な情緒や感情になる前の、感覚器官だけの単独の感じ方なのである。

それ自体は、熱いとか冷たいといった外の世界の直接の物理的刺激を、そのまま、ありのままに神経や脳に伝えているだけなのであって、それ自体でそれが気持ち良いとか、楽しいとか、憂欝とか、すがすがしいといった、そうした心理的な刺激を意味するものでも、持ち込んでいるのでもない。そしてこれが自分と他人の区別がない世界である。


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