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9、自律する錯覚。


そして、このような様々に異なる楽器の音色が合わされ、交流し合い、共振共鳴し合うことによって、それがまた別の新しい音色の独自のアンサンブルを作り出しているのである。そしてこれが「情緒」なのである。外からの刺激が感覚から解放されて、心理的な気分や気持ちのあり方として感じられているのである。

それは連鎖する錯覚のリズムなのである。そしてその形式のパターンなのである。さらには、そうした様々な異なる刺激の感覚同士の、絡み合い、共鳴し合うアンサンブルが、それだけで自律した固有の音色と精神のリズムを作り出しているのである。そしてこれが「情緒」なのである。感情でも、感覚の刺激でもなく、自分自身の内部から聞こえてくる、自律した精神の営みなのである。


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