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5、交感。


それは、末梢神経だけが支配する閉じた無意識の世界と、目覚めて見ている意識の世界との間を行ったり来たりしていて、行き交い、混じり合い、交流し、乱反射と迷走をくり返しているのである。それがいったい何なのか知らないまま、いやむしろ知らないがゆえに迷走し、迷走せざるを得ず、それが何かと探し求め、たしかめ、求め続けているのである。

人間はそうする以外に、現実の世界の中で自分を確かめる方法がないのである。自分が何をしていて、何を求めているのかなどといったことは、自分の現実のすがたを通して知る以外に無いのである。

肩をすくめたり、上目づかいに相手を見たりといったことは、そうやって自分で自分を見ているのであって、そして同時に他人に対しても見せているのであって、そうやって自分で納得し、了解しようとしているのである。

そしてまた、相手に対してもそれを求めている。そうやって交流し、社会の中の一員としての自分を見ている。自分で自分を見ているのである。そうしてまた他人にも、そうした自分を認めてもらおうとしているのである。


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