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1、選択。


人間の感じ方、想いや心情といった、言わば情緒的な部分は、自分でも表現し尽くし得ないもの、カタチでもって表し得ないものであって、というよりも、自分でもそれがいったい何なのか、よくわからないのである。

しかしそれは自分の中から外へと、表現されなければならない。だれにも分かる見えるカタチでもって示されなければならないのである。そしてこのカタチ、たとえばコトバや仕草、表情、身振りといったものは限られている。

しかもたいてい、自分の中から湧き上がってくる情緒といったものは、自分でもよく分からない未知のものが多いのである。だから選択しなければならない。どういう表現のカタチにするか、もっと正確に言うと、どの表情のカタチにするか、自分で選択して決めなければならないのである。

なぜか? そうやってこそ自分で自分に納得できるし、自分が自分であり続けることが出来るからである。


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