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3、生成される自意識。


要するに、自分を省みるということがなく、自己意識そのものが曖昧で、他人からの借りものの「自意識」でもって、何も考えずに言われたことだけを死に物狂いでする人間が最も尊敬され、そして出世できたのである。そういう時代だったのである。

だからまた、声が大きく表情がおおげさで、そして中身がカラッポの人間が好まれたのである。それがこの時代を生きた人間の共通で共有された自意識だったのである。

だからまた、相手もそれで安心できたし、信用もし、お互いを知り得たと思い込むことができたのである。このような、要するにバカであるほど重宝がられたのである。そして今日、こういう人間はだれからも相手にされない。

元請けでも上司でもなく、どこかの「偉い人」の使いパシリでもない人間を、それも見栄と自尊心だけの中身がカラッポの、それしかなく、それだけが取り柄の人間を、だれが相手にするものか。


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