index< 日誌 < am種 < 22-88「とまどい」p7 |
しかし、それが先天的な遺伝が原因だとしても、果たして、そんなささいなクセや仕草まで、遺伝で伝えることなど出来るのだろうか。もしもそうだとしたら、遺伝の情報量が膨大なものになってしまう。また、それ以前に、人間というのが遺伝という拘束によってがんじがらめに縛られてしまい、身動きが取れなくなって破壊されてしまう。 仮に、それが遺伝だとしたら、人間の生き方や創造性、環境への適応力といったものが、極端に制約されてしまって、進化の可能性といったものが閉ざされて、人間として生きて行けなくなってしまう。 だからそれは遺伝とも少し違う。親または祖先から受け継いだのは原理だけなのであって、そしてこれが現実の中で制約され条件づけられたのである。そして自分たちを取り囲む環境の中で、いやが上にも方向づけられたのである。あらかじめ遺伝によって設定された可能性に基づいて適応していったのである。 |
index< 日誌 < am種 < 22-88「とまどい」p7