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1、交感。


暗さからあかるさへ、狭さから拡がりへ、渇きから潤いへ、硬直から柔軟へ、孤立から開放へ、喧騒から静寂へ、よどみから明清さへ、息苦しさから清々しさへ、暑さ寒さから中庸へ・・・・・。

すべてこうしたことは、人間が生きて行く上で身についてしまった自然な「性向」である。偶然で自然な出来事の際限のない繰り返しが、いつしか自分でも気づかないまま身についてしまった、意識の介入する余地のない「性向」なのである。

本来自分の中にある、別々のものであったものが、すなわち、感覚や神経、身体の器官やそのカタチといったものが、何かのキッカケで繋がり、重ね合わされ、あるいは交錯し、入り混じり、または交感したりして、そしてそれらの連鎖し連続した全体が、それ自体で、それまでとは別の異質な機能と役割を持つに至っているのである。

そしてこのような繋(つな)がりの、全体としての機能だけに注目すると、それはその機能だけで閉じて自律したシステムを形成しているのである。


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