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4、アイデンティティ―。


当初、偶然によって始まったクセや習性といったものが、いまや自分にとってなくてはならないものになっている。そしてこれらクセや習性が当初もっていた実用的で実際的な用途は、もはやどうでも良いものになっていて、いまとなっては、そうしたクセや慣例といったものが、何かしらへと自分を導く象徴やサインになっているのである。

このような、言わば記号化された無意識の世界が、自己の日常の営みとその常識を生み出しているのである。そうである以上、この記号化された暗黙の、無意識の共有意識というものが、私たちにとって不可欠の、どうしても必要なものとなっているのである。

そしてそれが、自分が自分であることの証明になっているのである。そしてこの場合の共有意識というのが、自分を「自分たち」にしているのである。周りから認めらる自分というのを意識させているのである。そしてこれが社会から自分に与えられたアイデンティーなのである。


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