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1、異質。


歴史認識が思い込みと偏見に満ちているというのは、たしかにその通りなのである。これは、本テーマの「必然性」でのべたように、私たちの思考の形式とそのパターンがあらかじめ設定されているからである。そしこの設定済みの価値観と基準によって、つまり、自分たちの利益とその立場によって、あらかじめ方向づけられているからである。

たとえば今日に至るも、歴史学というのが、およそ欧米の歴史を模範としたもので、たとえば人権と自由に基づいて歴史を解釈し、そして展開し理解しようとしてきたのである。歴史学自体がそうであったし、歴史の認識もそうであり続けたのである。

しかし、この人権と自由という概念自体に、だれも疑いを抱かなかったのである。それは欧米人の価値観に基づいたものであって、それとはもともと異質の歴史をたどってきた東洋においても、はたしてそれが正しいものであるのかどうかというのは、別の問題なのである。


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