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4、実体がない。


それは、集団の中における自分の立場を、より分かりやすく表明するものでもあるし、個人同士の、そして全体としてのコミュニケーションを、集団内でより迅速かつ分かりやすいものにする。そうして、より高度な文化と社会性を持つ集団へと、自分たちを引き上げて行く環境を作りだしているのである。

しかしそれはまた、反面、なにも無いものが有るようにも思えてくるし、迷信が真実のように思えてもくるし、そしてまた、このような常習化された習慣だけが、ただ一つの正しいことのようにも思えてくるのである。あるいはまた、そうすることが自分を有利な立場にしてくれるのである。

そして中身というのが見えなくなり、目に見えない実体というのが限りなくどうでも良いものになって行く。現実の世界というのが限りなく薄っぺらで、見える表面だけの形式だけになって行く。しかしまた、そうやってしか自分を見い出せなくなっている。

戻る。                   続く。


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