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5、存在の理由。



その方が生きやすく、ラクだし、だれにも受け入れられるし、だれとでも仲良くやって行けるからである。前後のことや、自分が知らない人間のことなどどうでもよい、関係のないことだ。つまり、閉じた自分たちだけの世界を生きているのである。

こうした世界では、自分が自分たちの外へ出るということがない。その必要もない。また、外から自分を見るということもない。そして、外の現実の常識やマナーというのを知らず、知ることもないのである。

なぜなら、そうしたことが自分たちの生き方だったからである。いまさら自分を否定することなど出来ないのである。だからまた、「引きこもる」しかないのである。そうして一歩外へ出て見ると何も通用せず、生きても行けない。そうした客観性にも普遍性にも欠ける閉じた世界なのである。

アイデンティティー(自己の同一性)を喪失した世界。自己の存在理由などなくても生きて行けるし、また、それが望まれるし、その方が生きやすい世界なのである。いまの日本がそうである。

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