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3、設定。

しかし、実はそれだけではなく、より深刻かつ切実に本質的なのは、それが自分と外の世界とをつなぐ接点になっていて、そしてまたこれが、自分の存在の必然性とその理由になっている、ということなのである。

どういうことかと言うと、このような自分自身の身体そのものが、そのカタチや機能、そしてその内的システムにおいて、すでに始めから規定されているということなのである。そうである以上、これが自分の生き方や考え方の基本になっている、ということなのである。

あらかじめ、それによって――すなわち、身体によって――設定されているということなのである。人間は自分の肉体を選ぶことが出来ないのである。そして、この肉体からはずれては、何も成し得ないということなのである。

従ってまた、私たちの現実の感じ方や感情、情緒といったものは、すべてこの身体の中にあるといってよい。自分自身の身体の営みの中にある、生理や感覚や筋肉の持続的な反射作用といったものが、それを作り出してきたのである。

戻る。                   続く。


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