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3、偶然。


しかしまた、これを他の言い方でするならば、環境や条件次第で、幾世代に渡って眠ったままであった、潜在的な遺伝の痕跡に過ぎなかったものが、再び現実の世界に踊り出てくる、といったことも当然ある訳である。

これは、もともと遺伝されていたものが、それが発現する前に、その条件や場面がなかったために、そのまま眠ったままの状態で続いている、ということなのである。そしてこのような眠ったままの、潜在的な可能性に過ぎなかったものが、何かのハズミでいきなり現実の世界に踊りでてくることがある、ということなのである。

これは、意志や、やる気や情熱のように見えるけれども、決してそうではない。やる気と意志というものが、現実の条件というものを変えることがないからであるい。主観的な意志だけで現実の条件が変わるはずもなく、そのためには、それ以前にそれを可能にする条件というのが、客観的な現実の世界に無ければならないからである。

戻る。                   続く。


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