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もちろん、そうでない場合もある。笑う本人が何か意図し、目的をもって、相手に見せるために笑っている場合がそうである。この場合は、顔全体は笑っているように見えるけれども、「目」だけは相手の目の中を見ている。そしてうかがっている。計算している。 これは、偽りの笑いである。作り笑いである。「笑う」という感情の表現が、コミュニケーションの手段になっているのである。期待はずれの失笑、気味の悪い薄ら笑い、相手を蔑(さげす)むようなせせら笑いなどがそうである。 あるいは、深い悲しみの後の、突如として沸き起こる諦(あきら)めの笑いもある。あるいはまた、相手を油断させて騙す目的で無理して笑う場合も多々ある。 それらは、自分に対してというよりも、むしろ、相手に対する意思表示に近い。たとえそれが意思表示ではないとしても、それは、自分が自分に対して抱(いだ)く素直で無意識な笑いではない。それは言わば、笑う以前のところで意識された、不自然な、ムリに取り繕った笑いである。 |
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