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4、精神のすがた。


私たち人間は、自分の中にある得体の知れない情緒の動きについて、何らかの理由づけが必要なのである。それを自分が知っている、表現可能な何らかの仕草や表情でもって表現しなければならないのである。

あるいは、そうやって自らを表現せざるを得ず、また、そうやって自分に納得させ、自分を確かめ、それを自分の「印し」にしているのである。「印し」が必要なのであり、「印し」を表現しなければならないのである。そうしてそれを自分の証明として、自分が自分であり続けようとしているのである。

それ以外に自分を確かめる方法というのがないのである。自分が自分であるということ。自分が自分であり続けるということこそが、自分にとって何よりも大切なことなのである。だからそれがウソであろうと、偽りの作りごとであろうと、ペテンでも捏造(ねつぞう)でもデッチ上げでも、そんなことは二の次で、どうでもよいことなのである。

戻る。                続く。

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