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3、偽善。


それは自己意識を欠いた自分の都合だけであって、自分が正しいか間違っているかなどということは、どうでもよいことなのである。ただその場その時の自分を正当化してくれさえすれば、それでよく、またそれだけなのである。

自分に、それらしい意味と理由を与えてくれれば、また、それがだれかの強い権威の保護がありさえすれば、それが正義であり、真実なのである。要するに何もかもがデタラメで偽善と倒錯、幻覚だけの世界なのである。しかし、それを信じるということが、自分の身の安全とつながっているのである。

だからまた、そうでない者がどうしても絶対に必要なのであって、何が何でも探し出して、なければデッチ上げて、そうして自分の地位と立場を保全するのである。保全することが出来るのである。自分の正当性を公(おおやけ)のものにすることが出来るのである。

しかしまた、そうである以上、そのような「よろしくない者」が絶対に居るはずで、居なければならないのである。そうして自分の立場と居場所が安定するのである。これは避けることのできない、必然なのである。

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