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眉間に集中しているというのは、また、物理的・空間的位置だけでなく、神経が集中する観念的・意識的な世界においても、やはりそれは起こっている。意志や感覚といった観念の世界においても、やはり集中していて、そして偏向しているのである。だからまた、こうした状態を「緊張している」というのである。 ということはまた、集中と緊張がゆるんだとき、その表情の傾向と方向というのは、それとは反対方向へ向かう。そうして元に戻ろうとする。すなわち、集中は中心から外へ向かい、そして飽和して消失する。そしてこれが笑ったとき、安心したり、喜んだりするときの人間の表情なのである。 顔全体が緩(ゆる)み、解けてほぐれて、あるいは垂れて拡がり、方向性を見失った神経や筋肉が外へ向かって分散し、飽和していって、表情というのが消えて行く。いつもの日常の自分に戻るのである。緩やかに、優しく、そしてなるだけ自然に消えて行く。 |
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